印西市長選、現職に大差勝ちで藤代新市長誕生

前回は現職市長とNHK党の2人しか立候補しなかった印西市長選。今回は6人が立候補、あるいは誰も法定得票数に足らず再選挙という事態すら懸念されたが、投票箱の蓋を開けてみたら新人・藤代候補の圧勝という結果となった。

正直言って、びっくりした。2位の現職に約3千票差で、再選挙(誰も4分の1に達しない)ラインを軽々と超えた。現職市長、市議会議員、県議会議員が束になっても、コンサルタントに敵わなかった訳である。

藤代新市長の父は印旛村議会から印西市議会議員で、地盤は旧・印旛村である。選挙前にもっとも活動していたのは中沢候補と藤代候補で、手の込んだ政策パンフレットを各戸に配布していた。現市長への批判票が分散されるのではないかと思ったが、意外に藤代氏に集中して新市長の誕生となった。

自民党ポスターエリアに掲示された市長選挙の応援ポスター。顔写真や名前はないが、「世界モデル」「無所属39歳」「シルエット」で自民党支持者には誰に入れるか分かるようになっている。



いまにして思うと、自民党ポスターの掲示エリアに、顔写真も名前もないポスターが貼られていたのが不思議だった。公示前だから名前が出せないのかと思っていたら、投票日までこのままだった。でも、「世界モデル」「39歳無所属」「シルエット」からして、藤代氏を推していることは明らかなのである。

上の写真で後方に見えるのは、自民党現職参議院議員と県議会議員(自民党県連幹部)のポスターである。39歳無所属だけでは、市議を辞めて出た女性候補と区別がつかない。しかし、女性候補にはほとんど票が入らなかった(供託金没収)。市議選では自民党から出たのに今回無所属なのは、自民党のイメージがよくないせいかと思ったら、自民党の支持がないためであった。

藤代新市長は父親が村議会・市議会議員。地元自民党ではもともと「顔」だったのだろう。人口の少ない印旛村出身で、行政経験皆無な候補に現職批判票が集中したのは、自民党支持層に「今回は藤代」という暗黙の了解があった可能性が大である。なにしろ、旧印旛村が全員投票したよりずっと多い票を獲得しているのである。

これも今更ながらだが、農協に近い筋から「藤代」という声が聞こえていたのも意味深だった。ニュータウン住民が人口の3分の2近いとはいっても、まだまだ印西市は田舎の選挙だったということである。

前回と違って選挙カーが1日何度も回ってきてうるさかったが、誰も教えてくれなかったのかと思った候補が1人いた。本人の声で(録音かもしれない)「私は経済産業省、市議会で経験を積んできました」と言って回った候補である。

まだ20代の若さを売りにしているが、経産省にいたのは2~3年だし市議は1期1年で途中辞職である。前回票を入れてくれた支持者に恩返しはしたんですかとまず言いたい。

そして、「経産省では課長補佐」と自分で言って恥ずかしくないだろうか。上級職で受かればすぐに課長補佐で、本人の実績とは関係ない。入ってすぐの若造にセンセイや他省庁との調整など、親が次官か議員でなければ任されるはずもない。(そういう人がごろごろいる世界だけど)

監督業界や地方とのやりとりなど、調整というより連絡だし、政策だって経験あるノンキャリが作った書類にハンコを押しただけだろう。そんなもの経験とは言わない。

人望のないベテランや議会にも選ばれていないコンサルタントより自分の方が市長にふさわしいと思ったようだが、ああいう選挙活動をしていること自体ですでにアウトである。本当に、親でも先輩でも親身に教えてくれる人はいなかったんだろうかと思う。そのあたりが新市長との差かもしれない。

それと、今回の選挙運動では、現職市長が高をくくっていたのかあきらめていたのか、ポスターもろくに貼らず選挙カーもいい加減だったのが印象的だった。特段の失政はないし、2位にはなっているのだから、やり方によっては再選できたかもしれない。そのあたり読めないのが、老害ということになるのだが。

p.s. 千葉ニュータウンの選挙記事、バックナンバーはこちら

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