帯広・真鍋庭園

このところ、土~月の夜にばんえい競馬を見るのがルーティーンである。YouTubeで無料放送しているし、オープン馬も条件馬も1~2週おきに出てくるので、メンバーも覚えやすい。レースものんびりしていて年寄り向けである。

十年くらい前に経営危機で廃止寸前の時期があって、それ以来開催は帯広に集約された。旭川、岩見沢、北見は記念レースの名称として残っているだけで競馬場はすでにない。北海道は広いので、輸送の経費だけでもかなりの節約になる。

いちばん最近の帯広は、真鍋庭園に行った時である。帯広競馬場が町のど真ん中にあるのに対し、真鍋庭園は南に少し下りて幸福駅の方向にある。おりしも河川敷で何かのイベントをやっていて、結構うるさかったことを覚えている。

以下は2015年7月、9年前の記事である。
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今回の北海道では、旭川から大雪山を時計回りに、上川、遠軽、網走、陸別、帯広、然別湖、富良野と走って旭川に戻った。旭川→上川間で大雪・森のガーデンに行ったのと、最終日に上野ファームに寄るのは予定どおりだったのだけれど、帯広で少し時間に余裕ができたので、郊外にある真鍋庭園に行ってみた。

真鍋庭園は、歴史で言えば北海道でも指折りの庭園である。何しろ、大正時代に皇太子(のちの昭和天皇)がお休みになられた建物「真正閣」を有する由緒ある庭園なのである。北海道ガーデン街道として売り出されている他の庭園が比較的最近作られたものなので、その点では対照的である。反面、必ずしも現代風ではないのは、いいところでもあり物足りないところでもある。

園内の説明書きによれば、初代が日本庭園として整備したものを二代目が西洋庭園として拡張整備したそうで、なるほど年季の入ったコニファーが至るところに植えられている。もっとも、カラマツやトドマツに比べて、コニファーの伸びる速度はとても速いので、樹齢ということでいえば日本庭園の木々よりも若いのだろうが、いまでは同じくらいの高さの巨木となっている。

家の奥さんによると、コニファーを育てる土と、宿根草を育てる土とは全然違うそうである。もちろん真鍋庭園はコニファー向けであるので、土がいくぶん赤味を帯びているしやや乾いている。宿根草を育てるのは腐葉土系の黒ずんだ土になるし、適度な湿り気も必要である。そうした違いがあるため、真鍋庭園は上野ファームや風のガーデンとはやや雰囲気が違う。

家でも以前コニファーを植えてあったが、コニファーは伸びるのも太るのも速い。上に伸びて屋根まで届くと手入れが難しいし、地面を覆って伸びる種類のものは、すぐに枝だらけになってしまう。だから狭い庭で育てるには、むしろ宿根草の方が適しているのだが、北海道の広い大地で育ったコニファーはまさに壮観である。

下の写真は庭園中ほどにある西洋館の前から撮影したもので、込み入って植えてあるように思うけれどもそれぞれのコニファーの間隔は十分にとってある。狭い首都圏の住宅でこれをやるのは無理である。そして、ここまで来るのに日本庭園を7~8分、さらに奥には池をはさんでハマナスの咲いている花壇までさらに10分ほど歩くのだから、相当に広い庭園である。

残念なのは、街中にあるため自動車その他の騒音が園内に響いてくるので、ゆっくり庭を見ていられる雰囲気ではないということである。この日は日曜日ということもあって、すぐ隣の十勝川河川敷でアマチュアバンドのコンサートをやっていて、あまり上手でない歌や演奏をずっと聞かされる羽目になった。写真には写らないのでよかったが。

真鍋庭園エントランス。上野ファーム系が宿根草中心なのに対し、こちらはコニファー中心。


 

初代が日本庭園を整備し、二代目は西洋庭園を整備したとのことです。奥様によると、このあたりのコニファーになると一本何十万とか。

 

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