宮下あきら「激!!極虎一家」

ブログを始めた頃、1970年代の少女マンガについて書いていて、Googleからの流入もかなりあった。この記事は少女マンガではないが、なぜか検索からたくさん見に来ていただきました。2006年3月、いまから18年前にNiftyに上げた記事である。
----------------------------

宮下あきらといえば、「わしが男塾塾頭江田島平八であ~る!!!!」の「魁!!男塾」が代表作ということになるのだろうが、あまりにも続編がありすぎて何が何だか分からなくなってしまった。面白いといえば、こちらの極虎一家の方が面白い。

極虎一家という題名であるから、主人公は虎という男だろうと思われるかもしれない。そして確かに虎が中心となって動いている物語なのではあるが、実は、天才バカボンの主人公が「バカボンのパパ」であるように、このマンガには隠れ主人公がいる。学帽政(がくぼうまさ)と枢斬暗屯子(すうざん・あんとんこ)である。

舞台は普通の少年院では収容しきれない非行少年ばかり集めたという「網走極等少年院」。その中でも学帽政はいつも破れた学生帽をあみだにかぶったニヒルな男なのだが、とにかく強い。1人で1000人の猛者(その名も織田一千騎)を、それもすべて日本刀の峰打ちで倒した”網走雪原千人斬り”はじめ、幾多の伝説を持つ男なのである。

そして、枢斬暗屯子。20年たった現在でさえ、ネットを調べるとすぐに画像が出てくる。とても女には見えないが、女だそうである。私立極道(きわめみち)高校の生徒会副会長だそうである。そしてなぜか、極等少年院に出入り自由らしいのである。この方が学帽政の女房をめざして、少年院に家財道具を持ち込んでしまうのである。

宮下あきらの特徴は、大嘘の話をさも本当のように言うところである。男塾の初期にはそういうズタ話がいろいろあって、例えばラッキョウは、中国武術の天才陳ラッキョウ(字忘れた)が、体を柔らかくすべく酢の壷に入って修業するうちに、もったいないからラッキョウも一緒に漬けてみたらどうだろうと思って発明したそうである。汗と酢のしみたラッキョウなど、考えるだにおそろしい。

長いこと、宮下あきらは本宮ひろし(”サラリーマン金太郎”などでいまだに活躍中)の弟子だと思っていたのだが、調べてみると高橋よしひろ(”銀牙”これもなつかしいですね)のアシスタント出身だそうです。なんだかちょっと不思議です。

p.s. その頃の掲載記事、バックナンバーはこちら 

聞くところによると、「男塾」はまだ続編を発表中とか。おそろしいことだ。

コメント